賢い資産運用のための知識を身につけても実際に親などの遺産を相続するときに自分の資産の権利を確保できなければ意味がありません。ここではその権利確保に必要な「登記」について解説していきたいと思います。
相続登記とは、不動産に関する「相続を原因とする権利関係の変動」を公示する制度のことです。例えば相続が発生して、無くなった人(被相続人)が所有している土地を相続した場合には、その不動産の名義を相続人の名義に変更します。この手続きはその土地を管轄する法務局で行います。法務局は全国各地に多数巣あり、どの土地も必ずどこかの法務局の管轄に入っています。では財産のすべては法務局で名義変更するのでしょうか。法務局で名義変更ができるものは当然登記の対象となるものに限られるので、この例のような土地や建物の所有権などになります。所有権以外にも賃貸権や抵当権も相続の対象となります。現金や自動車は当然、法務局では名義変更できません。現金は銀行、自動車は陸運局、不動産は法務局と決まっています。
手続きには、被相続人の戸籍謄本や遺言書など相続人を特定するための書類、遺産分割協議書などの分配を証明するものが必要です。相続登記には期限がなく、申請する義務もありませんが、速やかに登記を実行しておいたほうが賢明です。ちなみに登録免許税は相続税評価額の0.2%(2006年度末まで。本則の税率は0.4%)
| 被相続人 | ・戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍など(被相続人が12~13歳くらいの時から死亡までの全ての謄本類。相続人を特定するもの) |
| ・住民票の除票、住居表示実施証明書(死亡時までの住所の変更を証明するため) | |
| 相続人 | ・遺産分割協議書または遺言書 |
| ・全員の印鑑証明書、戸籍謄本、住民票 | |
| ・相続する土地建物の登記簿謄本、固定資産税評価証明書 |
*戸籍の謄本、抄本:戸籍の記載の全部を原本と同一の様式によって転写したものを戸籍 謄本いい、戸籍の記載の一部を請求により、抜粋して転写したものを戸籍抄本といいます。
| 遺産分割協議 | 法定相続 | 遺言 | 備考 | |
| 被相続人の出生(少なくとも12~13歳)から死亡までの戸籍(除籍)謄本 | ○ | ○ | ○ | |
| 被相続人の(本籍記載の)住民票除票または戸籍附票 | ○ | ○ | ○ | 遺言書 | ○ |
| 遺産分割協議 | ○ | 実印を押印する | ||
| 印鑑証明書 | ○ | |||
| 相続人の戸籍謄本 | ○ | ○ | ○ | 不動産取得者以外に必要 |
| 相続人の住民票(本籍記載のもの) | ○ | ○ | ○ | |
| 固定資産税評価証明書 | ○ | ○ | ○ |